第15話

タクミがジッとあたしを見つめ、あたしたちの間に暫しの沈黙が続く。


夕方の公園は徐々に人影も疎らになり、遠くで車のエンジン音やクラクションが聞こえてくるぐらいで、とても静かだった。


そんな空間は余計に緊張を誘ったけれど


「……少し、考えさせて」



そう言ったあたしを見てホッとしたような表情でニッと笑ったタクミ。


それは、付き合っていた頃の感情をほんの少しだけ思い起こさせた瞬間。

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