第10話

こんな風に、思いもかけずタクミに甘えてしまったけど、あたしの心の中にいるのは


もうコウキだけ。


「……あたしたちはもう…終わったんだ、よ」


もう、前のような関係には戻れない。


戻ったとしても、きっとあたしは、タクミを心底信用することはできない。


タクミがどんなにあたしに優しくしても、もう浮気はしないとしても。


一度や二度じゃない、裏切られた想いは燻(クスブ)り続けてしまうだろうから。

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