第4話

もともと、接点はなかった。


理数科と普通科では校舎が離れていたから、普段顔を合わせることなんてなかったし。


だから、タクミのことは全然知らなかった。



“俺、広川タクミ”


正直言えば、ちょっと軽く見えて、どちらかというと苦手なタイプ、だと思う。



“成沢…マナ…です”


最初は警戒心いっぱいで話してたくらいだから。


それでも、初めて見た屈託ない笑顔が頭から離れなくて、もうそのときから惹かれていたのかもしれない。

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