CANDY◆6

諦めない男

第1話

“ねえねえ、ボール取ってくんない?”


“え?―――ボール?”


“そ!君の足元にあるそのバスケットボール”


校舎から少し離れた場所にある第二体育館。


主にバスケ部やバレー部が使っている。


あたしはその日、年に数回しかないその体育館のすぐそばにある花壇の水やり当番だった。


自分の足元に視線を向けると、そこにはオレンジ色の鮮やかなバスケットボールがあった。



それを指差す。

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