第7章

第9話

「……ここは…?」


ステラは、周りを見渡した。


沢山の星々が集まっている場所に1人佇んでいた。


「あぁ…そうか…。俺は、命を落としたのか…。」


ステラは、儚げな瞳で遠くを見つめた…。


「もっと…ツヴァイの側に居たかったな…。」


その時、1人の人物が彼の元へやってきた。


「私は、黄泉の世界の番人…ステラ、あなたには、まだやるべき事が残っていますよ。」


番人は、穏やかな口調でステラに語り掛けた。


「俺に…ですか…?」


「…これをご覧なさい。」


番人がステラに見せたのは、彼の亡き骸を前に泣いているツヴァイの姿だった。


「ツヴァイ…!!」


ステラも涙を溜めながら、彼女の名を呼んだ。


「…俺、ツヴァイの元に戻りたいです…!俺に残された使命があるなら、それも果たしたい…!!」


ステラは、迷いのない真っ直ぐな瞳で番人を見つめた。


「ステラ…あなたの新たな使命は、彼女を護り、この世界を平和へ導くこと…。

その使命を果たせますか…?」


「はい…!!その使命、果たす事をここに誓います!!」


『星の力を授けましょう…。』


すると、番人は消え、ステラの身体は星々に包まれた。


泣いていたツヴァイの前に、眩い光が差し込む。


目を開けると、蘇った彼の姿があった。


「ス…テラ…?」


ツヴァイは、泣き腫らした目を丸くしていた。


「ただいま…ツヴァイ。もう、俺は離れたりしない…。ずっと、愛してるよ…。」


ツヴァイが流した涙を彼は、指でそっと拭った。



ステラは、穏やかな微笑みを浮かべて彼女を見つめた。


「私も…愛してる…ステラ…。」


2人は、互いに引き寄せられる様に抱き合い、口付けを交わした。

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