第1章
第2話
ライブ会場は、沢山のファンで埋め尽くされている。
「今日は、私達のライブに来てくれてありがとう!」
「いっぱい楽しんでいってね!」
その瞬間、沢山の黄色い声援が彼女達に贈られる。
自分も応援するオタクの一人だ。
周囲のファン達に混ざり、サイリウムを振りまくる僕。
2時間後、会場のボルテージが最高潮の中、ライブは、あっという間に幕を閉じた。
楽しいことは、あっという間だ。
そう思って物販コーナーの前を通ると、そこにはCosmo quartettoの姿があった。
「夢でも見てるのかなぁ?」
燐がそう思っていると、メンバーの一人であるノインが声を掛けてきた。
「いつも応援ありがとう。」
突然のことに、燐の表情は緊張を隠せない。
燐は、ノインの大ファンだ。
「あ、あの!僕、ノインさんの大ファンなんです!これからも応援しています…!」
『本人が目の前に居るのに、何でありきたりなことしか言えないんだよ〜!』
燐がそんなことを思っていると、突然ノインが一言呟いた。
「……来る…!!」
「何が…?」
「良いから、早く逃げて…!!」
燐は、ノインの言葉の意味が分からず、呆気に取られるが、燐が顔を上げると目の前には、巨大な魔物が居た。
「うわぁぁぁぁッ!!バ、化け物ーー!!」
燐は、逃げようとするが、恐怖で腰が抜けて動けない。
「だから、逃げてって言ったのに…。」
ノインの声は、呆れ気味に聞こえた。
「ご、ごめんなさい…。」
何だか、圧倒的な迫力で思わず縮こまってしまう…。
『一体、何がそうさせるんだろう?』
燐にまたしても疑問が湧いた時、彼女達の声が聞こえた。
「銀河よ!私達に力を貸して!!」
眩い光と共に、四人の服装が近未来的なシルバーのタイトな服装に、それぞれのメンバーカラーが入っているコスチュームに変化した。
アイドルの四人が謎の魔物を倒している不思議な光景。
戦いは秒で幕を閉じた。
燐は、自分の頬をつねってみた。
「痛い…!夢じゃない…。」
そんな燐の前に、四人が戻ってきた。
「私達は、確かにアイドルをやってる…」
「けれど、それは仮の姿で」
「私達の本当の使命は、宇宙からやってきた、この銀河を守る戦士なの。」
突然のカミングアウトに驚く僕…。
「あなた、名前は?」
「日向 燐です…。」
「燐、私達の秘密、漏らさない代わりに、やって欲しいことがあるの。」
燐は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「あなたに、バックダンサーをやってほしい。」
「えぇぇぇーッ!?」
燐は、素っ頓狂な声を上げた。
超人気アイドルの秘密を知った上に、バックダンサーに任命されるって、どうなる僕ー!?
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