第88話
「…先輩?気にしないでよ。俺さ実を言えば、ちょっと未来のこと、気になってたからさ、これは俺にとったらチャンスなんだよ」
そう言って屈託ない笑顔を向けた凌汰に
胸の奥でなにかがチリッと焦げ付いたような感覚を覚える。
ドロリとした黒い塊がわたしの中で、形を成していく。
そんな資格、あるわけないのに。
その塊は“嫉妬”という名の感情となって、わたしを覆い尽くすんだ。
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