第73話

「唐突、すぎたよね…。未来と付き合え、なんて」


「あぁ…うん。でも、なんか理由があるんだよね?」



思い詰めたような、切羽詰まったような、そんな由希先輩の表情に、そこになにかしらの理由があることはわかる。


「…理由。そうね、理由はあるよ。

──ここにいれば……わかる」


「ここ?」


「…、うん、ここ」


頷いた先輩を見つめながら、なぜか頭の中で警告音が鳴り響き始めていた。


───嫌な予感。



兄貴が、由希先輩の傍にいないのはどうしてだ?

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