第50話

「悠哉先輩……、お、お疲れさま…です」


声が裏返ったような気がする。


けど、目の前に立った悠哉先輩はそんなこと気にもしてないようで


「おう、お疲れさん」


と、ニッと爽やかに笑う。

「…先輩、いま帰りですか?」


何気ないふりして訊く。


「おう、自主練してた。ってか、お前こそいま帰り?」


笑ったかと思ったら直ぐ怪訝な表情になった。



部活はすでに一時間も前に終わってるのに、なんでいるんだって顔。


そりゃそうだ。

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