第43話

「…、?」


最初に気づいたのは、タンタンとボールの跳ねる音。


次にキュッキュッとシューズの擦れる音。


体育館にある控え室の前で立ち止まったわたしに気づきもせず、ただひたすらドリブルとシュートを繰り返していたのは、


悠哉先輩だった。



その表情はものすごく真剣で、思わず見惚れてしまった。



だけど、1つ、ゴールが外れ、ネットに跳ね返されたボールを掴んだ瞬間、


ダーーーンと体育館中に響き渡る音。

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