第37話

告白して、俺のモノになったと思っていた。


決して離さないと、心の中で誓った。一生由希だけを愛する覚悟だってあった。


それくらい、俺は由希を好きだった。


けど、それでも、一番欲しいと思った心だけが、どうしても手に入らなかった。


残るのは、虚しさだけ。


それでも、俺は由希を手放せなかった。


何度も囁いた。


「俺だけを見て。俺だけを愛して」

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