第36話

凌汰を好きな彼女ごと、まるごと愛せる。そう思っていた。


そして、いつか、俺のことを好きになってくれたなら。


俺だけを見てくれる日がくれば、それでいいと思ってた。


そう思っていた俺が甘かったんだろうか……。





表面上は穏やかで波風立つこともなく、先生や生徒からも公認の仲になって。


なのに、襲うのは、虚しさばかり。

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