第33話

初めて出会った高校の入学式のときから、ずっと由希だけを見てきたんだ。


由希の視線が誰に向いてるかなんて、気づかないわけない。



だけど、それが、たった一人の弟だったのは、かなりショックだった。


なんでもそつなくこなしているように見られている俺が、どうしても叶わない相手。


凌汰がどう思ってるかは知らないけど。


俺は直ぐに追い付いてくるアイツに負けたくなくて、人知れず必死に努力しているんだ。

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