第23話

「…ん、由希、もう少しだけ…」


「……」


悠哉の吐息が首筋に触れる。


背中にある腕の力がさっきより強くなってる気がする。


悠哉は、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、おまけにバスケ部のキャプテンであり、さらに生徒会の副会長までしていて、


誰もが羨む完璧な彼氏。


そんな悠哉の弱い部分を、わたしだけがきっと知っているんだと思う。


弱くしてしまったのが。


わたし、だから。

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