第14話

「…兄貴、大活躍だったじゃん。自慢の彼氏だね」


ニコニコ笑って俺を見上げていた由希先輩が眉を八の字にして困ったような表情になる。


───なんで?なんでそんな顔するんだろう。


たったそれだけで忘れようとする想いは燻り続けてしまうんだ。


由希先輩は、兄貴といて、本当に幸せなんだろうかと。


バカなことを考えてしまうんだ。


「──なに言ってるの。試合の流れを変えたのは第3Q(クォーター)での凌汰の得点でしょっ」

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