第14章

第18話

商品開発部に所属してから、毎日が嵐の様に過ぎ去っていく…。


りんごを生産する農家さんへ挨拶に行ったり、新しい商品の試作を何回も繰り返していった。


そして、半年後…。


「やっと出来た…ミルクティー風味のりんご飴…!!」


「プレゼンで試食して貰わないと!緊張するけど…」


一緒に開発を進めてくれた先輩も、緊張気味の表情を浮かべていた。


そして、プレゼン当日を迎えた。


そこには、社長の紅林 大樹と副社長の雪見 北斗の姿があった。


「私達、商品開発部は今回、ミルクティー風味のりんご飴を開発しました」


「りんごをコーティングする飴に紅茶の香り付けをしております」


その時、社長が挙手をした。


「その紅茶は、何を使用しているのでしょうか?」


「りんごの味とよく合う、キャンディーの茶葉を使用しております。是非、試食をお願い致します」


私の心に緊張が走る…。


『私に、この会社へ入社を勧めてくれた、社長本人が、どんな反応をするのか…』


大樹は、りんご飴を手に取り、一口齧った。


「とても美味しいです…!!齧った瞬間に広がるミルクティーの優しい香りと、りんごのスッキリした甘さが絶妙です!」


「ありがとうございます!!」


「商品化決定です!!」


その場に居た誰もが笑顔になり、喜びの表情を浮かべていた。

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