第37話

「一応…連絡用に」


そう言って携帯を差し出している春


連絡用…


確かにね


付き合ってるのにメアドも知らないなんて


さすがに有り得ないかも




ブレザーのポケットから携帯を取り出すと赤外線通信をした


「じゃあ俺のはあとで送る」


そう言うと先にさっさと歩いて行ってしまった


その背中をしばらく見たあと私も教室へと歩き出した


このやりとりを見ている人がいたなんて気が付きもしないで…

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