第14話

『どうして……』


「……………」


手が足がカタカタと震える



後ろにはもう壁しかない―――…逃げ場がない…



木村がじりじりと近付く


「い……」



『どうして!僕じゃ駄目なんだ!』


そう叫んだかと思ったら突然


腕を掴まれた


「――…っ!!」


声にならない声



掴まれたままの状態で木村の顔が近付く



「い……いやーーっ」


やっと出せた声でありったけの力を込めて叫んだ


『こんなとこ誰もこないよ』


木村がニヤッと笑う

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