第2章

第12話

『私を…?』


「俺、大学の授業で人物画を描いた事はあるけど、何かが足りないって、教授に言われ続けてたんだ…俺、本気で描いていなかったから…」


「ずっと、本気で描きたいのは、ましろだったんだよ」


「うん」


私の頬が一瞬にして、熱くなる…。



『本気で描いたら…どうなるの…?』



暫く沈黙が続いた。



「…俺のアトリエ、実家の離れに作ったから…」



「行こっか…」



私達は、そっと手を繋いで海生の実家の離れに向かった。

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