第2章

第11話

「…さっきの話の続きだけど、俺の絵のモデルになって欲しい」


「私が海生の絵のモデル!?」


突然のお願いに思わず、素っ頓狂な声を上げてしまった。



「……駄目…かな…?」


海生は、チワワの様に潤んだ瞳で私に問い掛けてきた。



『そんな顔…反則だって…』



私が海生のお願いに弱いの…知ってる…?



「良いよ」


私はOKしたけれど、同時にある疑問が生まれた。



海生、今まで人物画を出した事ないのに…どうして急に…?


「ましろ…今、どうして…?って思っただろ?」


心を読まれて、ドキッとした…。


「別に急じゃないし…」


海生は少し頬を紅く染めて、一言ポツリと呟いた。


「ずっと…描くなら、俺の好きな人を描こうって…そう思ってたから…」

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