第18話
「…はなして」
男はわたしの言葉なんて無視して、探るようにわたしの右足の太ももの辺りを撫でる。
スカートの中に手が入り、恐怖で固まることしか出来ないわたし。
なぞるのは、わたしが中学の時に怪我をしてできたあの手術痕---------
「へぇ…結構イイモン持ってんじゃん」
「…っ」
足をなぞる手に目をやると、長袖のシャツの隙間から見えるそれは…蛇?
蛇のような痣がその腕に纏わりつくようにしてできていた。
「アンタもヤるか?」
「はっ?」
「だから、アンタのも喰ってやろうか?オレが-----------」
鋭い視線に目が離せない。
本当にまるで蛇に睨まれているかのようで。
その時---------
ピカッ!ドン!ゴロゴロ----------
再び大きな雷鳴が鳴り響き、空気を割った。
その瞬間、足の痛みが一気に軽くなる。
わたしは今だ!とばかりに男を全力で振り切り、走って図書室から出て行った。
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