第11話

わたしがチームの敗戦を聞いたのは、病院のベッドの上だった。


あの医務の見立てた通り、右足の太ももの部分の骨は着地の衝撃で折れていた。

医師は手術が必要なこと、損傷がひどい為足の骨を一時的にボルトで固定すること、そのため2ヶ月程の入院になることが告げられた。



「…わたしのせいだね。負けたの」



お見舞いに来てくれていたお母さんにポツリ呟く。

怪我よりも、自分のせいで全国への道が絶たれたこと、みんなの夢を奪った事の方が、わたしには辛く重くのしかかっていた。


「そんなことないわよ。こんなひどい怪我するほど頑張ったじゃない。みんなだってそう思ってるわ。あなたはよくやった」





"みんなだってそう思ってる"




それが事実ではないことくらい、容易に察しがつく。







お見舞いには、2ヶ月間、誰ひとり、来なかった。

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