秘密の影り
第7話
夢を見た。
それは麗しいほど魅力的な桜の木の下。
でもその美しさはどこか不気味で、口では言い表せない影を孕んでいた。
そこには降り続く雨に傘もささず、男の子が立っていた。
わたしはなんだか可哀想になって声をかけようとするけど、何故か声が出ない。
男の子はもしかしたら泣いているのかもしれないと思った。雨で消されてしまうけど、きっとこの子は、泣いている。
そう、思った。
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