彼岸花

空き地の隅に彼岸花が咲いた。殺風景な空き地に不釣り合いなほど、見事な紅色の花だった。

人々は彼岸花を気味悪がった。彼岸花にとっては迷惑な話だ。この名前をつけたのは人間なのだから。

やがて、ある噂が流れた。曰く、あの彼岸花の下には死体が埋まっている。荒唐無稽な話だが、あの美しさを見ると確かにそう思えるのかもしれない。

私は困り果てた。なぜなら

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る