第54話
「そーゆーことだから」
幸から離れて、今度こそ倉庫を出ようと歩を進める。
今の一言でふたつ、線引きしたことは幸には分かったかな。
あいつらはそこら辺のチンピラではない。大っぴらには言えないが、かなり上のやつらだ。
そんなやつらの情報をくれてやるつもりは毛頭ない、っていう意味。
それと、白龍のこと。友達ほど信用はしてない。これ以上詮索して踏み込んでくるな、っていう意味。
幸には、どこまで理解できたかな。
「…………わかった」
私の牽制に一瞬だけ僅かに動揺した幸は次の瞬間にはまたいつもの無表情へと戻り、ふっと軽く瞼を伏せてそう言い捨てた。
良かった。そこはさすが総長サマ。ちゃあんと理解してくれたようだ。
てか、元を辿れば私自ら白龍に入ったんじゃなくて幸との賭けに負けたせいで半ば無理矢理入れられたもんね。これくらいの牽制はいいよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます