第3話

《華side》






「華…………」




「何も言うな」




「でも………」




「奏。今はそっとしておいて。八つ当たりしたら悪いから」




「……うん、わかった。じゃあ先倉庫行ってるね」





とても可哀想なものを見る目で私を見たあと、そっと目線をずらした奏は逃げるように廊下へと早歩きして遠ざかっていく。




今日は夏休みのちょうど2週間前。




5日前から学期末テストがあり、昨日が最終日で、今日一斉に手元に戻ってきたテスト用紙。




前回の小テストでは結果は散々だった。当然補習もあった。小テストということで補習はその日の放課後の数時間のみだったが、全教科赤点だった私にとっては地獄の数時間だった。




そして今回は前と違ってちゃんと勉強した。




奏と昴も混ざって輝に勉強を教えてもらってた。めちゃスパルタだったけど頑張った。そのおかげか、多少は理解できた。




だがろくに授業を受けていなかった中学の3年間の壁は思った以上に高い壁だった。





「はあぁぁぁ……」





今日何度目かの特大のため息を吐きながら手元のテスト用紙の点数を見やる。




お恥ずかしながら、どれも二桁に到達していない。







見事に……やらかした。

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