第17話

「それは……困る、困ります。」


「どうして?じゃあこの仕事降りようか、」


「若月君!」



アタシは思わず大声を出してしまった。

店内のお客さんが一斉にアタシ達の席を見た。



「……まあ、君でもイイかな。」


彼は俯いて笑い始める。



「そんなつまらない事言わないで。そんな人じゃなかったのに……、」


アタシがそう言うと若月君は顔を上げた。


「そんな人じゃない……?綺は俺の何を知ってた?知る前に離れたくせに。」



「!!」



アタシは、


彼の視線から逃げる事が出来なかった。

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