第3話
「え?」
アタシは柏木さんの意外な言葉に驚いて頭を上げた。
「その若月君にお願いしてみたら?」
「あ、いや柏木さんそれはアタシの一存じゃ無理です。今回は上から柏木さんに依頼を、と言われていたので。それにこの……わ、若月さんだって寝耳に水な話だと思います。」
そう言った後のアタシは何故か息が上がっていた。
「珍しい、宇川さんがそんなに喋るの。」
「あ……、すみません。でも、えと、若月さんも柏木さんと同じようになかなか捉まらないデザイナーさんなので……。」
「あれ、宇川さんさっき若月君の事知らないみたいに言ってなかった?」
……あ、
しくった。
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