第2話

奇跡って信じてはなかったんだけどな……。



「宇川さん、そのヒトねアタシの大学の後輩なの。」


はい、存じております。


アタシは手渡された一枚の紙に視線を落とした。



「うちの旦那の会社と専属契約してるんだけど結構有名なんだけど。」



「はあ、」


「宇川さんもこの仕事してるんだから知らないはずはないと思うんだけど?」


……知らないわけないです。


アタシは苦笑いをした。


「そうでもないです。アタシ結構疎いんですよ。」



「そうなの?」


柏木さんは笑いながら言った。そして、


「今回のこの学校の設計のオファーね彼にお願いしてみたらどうかと思って。」

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