2・今日から三つ子は保育園

第2話・今日から三つ子は保育園

《ルビを入力…》「さぁ!起きてー!!今日から保育園よ?」

「うぅ〜んっ」


三人を起こすのは容易では無い。

一人起こしたと思ったらまだ残りの2人が寝ていて…また起こして…の繰り返し。


「沙織、慎一と悟のパンをチンッしておいてー」

「はーい」


キッチンにいる沙織に声をかけながら2人を起こすと先に悟が目を覚ます。


「おはようございます…ママ」

「はい、おはよう。朝食出来てるよ」

「はい。顔洗って席着きます」


眠たそうに立ち上がって洗面所に向かう悟の後ろ姿に一瞬だけある男性の後ろ姿がよぎった。


「…慎一、朝だよ。起きてー」

「ママ〜まだ眠い…」


その面影を振り払う様に慎一に声をかけた。


「慎一の大好きなマヨパンだよ?」

「食べるー!!」


ガバッと勢いよく起き上がってドタドタとキッチンに向かった姿に笑いが止まらなかった。


「慎一ったら…」


笑いのまま私もキッチンに向かって四人で挨拶をして朝食を頬張った。


「通学カバン持った?」

「ママも忘れ物無い?」

「大丈夫!行くよー」


支度をして車に乗り込み保育園に向かった。


「……」


あれっ?外車ばっかり。


「沙織、慎一、悟、行くよ」

「はーい」


三人を車から降ろして保育園内に向かったら園長先生らしき人が玄関で待っていて慌てて走った。


「おはようございます!今日からお世話になります。母の遠藤柚木えんどうゆきと申します。そして、娘の沙織、息子の慎一と悟です」


園長先生らしき人に三人の挨拶をしたら沙織が見当たらなかった。


「お母様、沙織さんは?」

「えっ?沙織が居ない!!」


慌てて2人を園長先生に預けて急いで車に向かったら沙織を見つけた。


「沙織!ママ心配したんだからね!」

「ごめんなさい、ママ。でも良い事あったよ」

「良い事?沙織にとっては良い事かもしれないけどママにとっては悪い事よっ」


無事で良かったと安堵して沙織と手を繋いで園長先生の所に向かった。


「沙織です。改めまして、三人をよろしくお願いします」

「お預かりしますね」


三人を保育園に預けて私は会社に向かった。

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