「ねなと一緒にいて普通でいられると思う？」

「千秋君……、私が悪いの。」

「そういうことを言ってるんじゃないから。」

私は首を振る。

「私は……恋愛経験が無さすぎてどうしていいのか分からないの。それに千秋君を前にすると緊張して、混乱しちゃって。」

そう言って頭を垂れる。言いながら落ち込んでくる。

もっと大人の振る舞いが出来きたら……。

「……そんなの経験とか関係ないんじゃない？俺も冷静を保つのに必死だし、こんな状況でおあずけ状態だし。だから理屈よりも抱き合った方が早いよ。」

そんな……、お互いを知る前に千秋君と関係持つとか。

「千秋君は、今までの彼女もそうだったの？」

「え？」

「そういう関係になることがお互いを知る近道だったの？」

千秋君は言葉に詰まる。

私は少し笑ってしまった。

「千秋君、私にはもう少し時間が、」

「時間がなに？もうお互いのこと知り尽くしてるよ。ねなは俺に緊張するって言ってるけど近くに居たいとは思ってはくれないの？」

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