第79話

「……千秋君は理解してくれると思う……、」


「できないね。」


即答。


「千秋君……、」


「ねなの性格だと俺と付き合い始めてもそんなに変わらないよ。」


「それはまだ付き合ってないから……、」


そう言って私はそのままソファに座った。

自分が請負った仕事は最後まで完璧にやり遂げたい。

それが誰と仕事をしても。

でも今回は千秋君と一緒だからこそ頑張りたい気持ちが強い。


「別にそこまで自分を追い込んで仕事をしなくても。ねなだけが仕事してるんじゃない、俺も他のスタッフも動いてるから。」


「あ……、」

そうなんだけど。


「責任感が強いのも程々に。俺がいるでしょ。」


……千秋君から優しい言葉を聞くと彼に流されそうになる。

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