第72話

夕食の準備が整うと千秋君もちょうどお風呂から出てきた。


「わ、凄いね、豪華。」

「そ、そんな事ないよ。」

クリームパスタとサラダとフルーツしかない。

「口に合えば良いけど……、」

「大丈夫、ちょっと味音痴な所あるから何でも食べれる。」


……そうなんだ、意外。

神経質な方だと思っていたから。

それにしても味音痴……って言わなくても、ねえ?


そう言って千秋君はテーブルに着席する。


ヤバい、お風呂上がりの彼の姿なんて初めて見る。

逆にこっちがのぼせそうになるよ。


「美味い!」

千秋君はクリームパスタを1口食べるとそう言った。

でも内心複雑。味音痴らしいから。


私は何回も味見しすぎて最後はどんな味か分からなくなっていた。



「毎日こうやって食事作ってよ。」

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