槇村君の憂鬱

第49話

午前の外回りが終わりいつものファストフードに寄ってからロビーのエレベーターに乗る。

すると後からスーツを着たヒトが続けて乗った。

お、高そうなスーツ、来客か?

俺は横目でそのお高そうなスーツを着ているヤツの顔を見てやろうと……っ、!?


え、千秋朔?うっそ。

俺は思わず正面を向く。なんで此処に!?


「ねぇ、」

「……」

「返事は?」

出来るわけないじゃん、両腕組んでめっちゃ怖いオーラ出してるじゃんよぉ。綺麗な顔が俺を睨んでくる。

「あ……、先日はどうも。」

「どうも?お前挨拶もろくに出来ないの?」

「あ、いや、」

頭がパニクってる!!


「ねなをあんなに酔わせてどういう神経?彼氏なら防げたんじゃないの。」


「そんなに酔ってましたか!?店を出る時は大丈夫そうだったんですけどっ!?」


「どう見てもねなに本気じゃないだろう?」


ほ、本気になるわけない!!俺にはちゃんと正真正銘の彼女がいるし!

俺は塚原さんのただのニセ彼氏なのに!


「お前のせいだから。」

「え、なんのことですか?」

「ねなが俺の担当から外れると連絡が入ったから来たんだよ。本当に外れたら俺はお前に何するか分からないから。」


そう言って千秋朔は先にエレベーターから降りた。


え、ええーーー!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る