第8話

「一応大まかな図面はできたからチェックしてみて。他の仕事も入ってるから出来れば早めに返事ちょうだい。」


「わかりました、ありがとうございます。」


千秋君から午前中連絡を貰い事務所で図面を受け取る。

彼が設計した図面を早くみたいと思った。

今回請負ったのはある画家の個展を開くためのホール兼自宅。


今までの千秋君の設計した作品を見せてもらったけれど、どれもシンプルなのにどこか温かみのあるものばかりだった。


「確かに受け取りました、すぐチェックしますね。」


そう言ってソファから立つ。


「塚原さん、お昼まだだよね?」


「え、はい。」


「じゃあ一緒にどう?近くに……、」


え?

何言ってるの?一緒に昼食?


「会社の決まりで個人的にそういうのは禁止事項なんです。」


「え?そうなの?」


嘘です。

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