君のこと 2

第6話

「ねな、どうだった?千秋朔。」

同期の長澤涼子が声を掛けてくる。

「どうって……、普通。」

私は会社に戻って千秋君のスケジュールをチェックしていた。


「普通なわけないじゃんあの容姿。先輩とかもねなの事妬んでたよー。」


できるなら私を抜擢して欲しくなかった。

右手に彼の手の感触が蘇る。


握手だけで私は酷く動揺していた。


高校時代の思い出が一気に蘇る。


高校1年の時に彼を知った。

図書室で1人でよく難しい本を読んでいた。

図書委員だった私は彼が来るとその日はテンションが上がって、来ないと落ち込んだ。


淡い恋心は日に日におおきくなっていった。

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