in かまトト倶楽部

第1話

サックスの生演奏に、




ほろ酔い気分で耳を傾ける。





ここは日常生活に疲れた大人の男女が集う癒しのBar―…





「ちょっとぉ~、何時までも辛気臭いカオして飲んでんじゃないわよ~。っていうかぁ、アタシの神的なサックス演奏ちゃんと聞いてんのぉ~?」





では



決してなくて、




「アンタ、その華の無いカオにますますオーラがなくなるわよぉ。アタシのこの美貌を見習いなさいよぉ~」




バーカウンターを挟んで、愛用のサックスを片手に目の前にいるのは……




「うっさい!おかまっ!!」



「あ~っ!アンタ、その言葉、言ったわねぇ!今夜の飲み代金三倍くらいで徴収してやるから覚悟してなさいよっ!!」




見かけは(やや)筋肉質のオッサン。



だけど、心は乙女という、




つまり“オカマ”ちゃん……




ここは、お酒とサックスの生演奏が身も心も心地良く酔わせてくれる癒しのBarでもなんでもなくて、




目の前にいる年齢不詳のオカマちゃんこと、



“トトちゃん”がオーナーを勤めるオカマバー。





その名も





“かまトト倶楽部”

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