壊し愛SS/愛し愛

RIM

おまけSS / 愛し愛

ゲームでGO

1

三ヶ月ぶりとなるスマホを起動させると、その通知を受信した。




【捕まえた時に貰えるモンスターのアメが2倍になります】




は……!?


その通知に飛び起きた私は、すぐさまそのアプリを起動した。


















「あかねってゲームするの?」




玄関前、ショルダーバッグをかけてブーツを履く私の後ろでは、壁にもたれかかったスウェット姿の優藍ゆらがいる。


スマホとこの家の鍵を持った私は彼に振り向いた。




「簡単でかわいいのはする。私が半年くらい開いてなかった間に、新しいモンスターの追加と新しいイベントが始まってたの。私の推しモンが増えてたの!!」


「……推しモン?」




見せられる画面を見れば、モコモコしている真っ黒の影。




「捕まえてないから、まだ影なの」


「……」


「すぐ近くにいるの」


「あぁ、例の位置情報ゲームか」


「時間が経つと消えちゃうから。ちょっと行ってくる」




少し眉をひそめて寂しそうな顔をした優藍を目の端に映しながら、私はその一歩を踏み出す。


待っててね、私の推しモンちゃん。


























そうしてスマホ片手に外に飛び出した私は一時間後、迷子になっていた。

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