1・私は、一生このまま?
第1話
「ランティス!まだこんな所にいたの?」
「お義母様。ごめんなさい」
“ランティス・ヒョウ”は掃除をしていた場所から慌てて呼ばれている義母の所に行き離れて立っていると何かの液体を浴びた。
「きゃあ!」
「ランティス?これ、ぬるいわよ」
バシャと紅茶を浴びて服が濡れてポタポタと雫
となって床も濡れランティスは慌てて床に這いつくばって土下座をする。
「ランティス!床まで濡らすなんて最低な妹ね」
「申し訳ありません。今、拭きます」
「あらっ、当たり前な事を言わせないでよ。
バカなの?」
ランティスは双子の姉にあたる
“ラリーネ・ショウ”にも虐めを受けていた。
ラリーネは綺麗な物が好きで男好きでもあり
社交界でも一二を争う程に美人で所作も綺麗。
ランティスもラリーネも両方金髪なのだが、目がぱちくりしており唇はプルンとしていて男達の花の方は姉のラリーネの方だった。
ランティスは顔にそばかすがあり手はガサガサしていて令嬢と言うには程遠かった。
義母は何故か出来の良い姉だけを可愛がり妹のランティスに召使と一緒に家の仕事を押し付けている。
それを父親は見て見ぬフリをしている。
「ランティス、今日の買い物はこれよ。全部が終わってから行きなさいよ」
「えっ?お義母様!」
「口答えは許さなくってよ?」
「はいっ…」
義母から捨てられる様に買い物のメモを拾って
ポッケに入れてから濡れた床を拭く。
その間、2人はランティスがいないかの様に楽しくお喋りしている。
「あらっ、これもぬるいわ」
「………」
ポットから注いだ紅茶がランティスの頭の上にかけられる。
「ランティス!また濡らしたんじゃないの!」
「申し訳ありません!急いで拭きます!」
「本当、クズね!ノロマで嫌になっちゃう!」
義母と姉は2人で茶の室から出て行った。
「……ふっ…」
拭きながら涙が出てきてしまった。
拭いても拭いても床に涙の跡が落ちる。
「泣き止みなさい!ランティス!」
自分を、叱咤するけど何の為に泣いてるか分からない。
何の為に床を一生懸命拭いてるか分からなくなっていたランティス。
「私は、お義母様とお姉様のご機嫌伺いをしていくのが仕事よね…」
諦めにも近い言葉が部屋に響いたけど誰も聞いていなかった。
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