アネモネの花が咲く頃には
@meruba0805
第0話 プロローグ
――もし、自分の余命が決まっているとしたら、あなたならどんな時を過ごしますか?
「この病気は、病状を遅らせる事はできますが……成長と共に進行し……」
―― 僕は、先生に両親が呼ばれた診察室の前の廊下で、そんな話を盗み聞きしてしまった。
これが、僕が10歳になったばかりの頃の話。
この時、幼いながらに僕は思った。自分が苦しくても、絶対に周りの人を悲しませるような生き方はしない。そう心に誓った。
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