アネモネの花が咲く頃には

@meruba0805

第0話 プロローグ

――もし、自分の余命が決まっているとしたら、あなたならどんな時を過ごしますか?


「この病気は、病状を遅らせる事はできますが……成長と共に進行し……」


 颯斗はやとくんの場合、もって余命は20歳でしょう。


 

 ―― 僕は、先生に両親が呼ばれた診察室の前の廊下で、そんな話を盗み聞きしてしまった。


 これが、僕が10歳になったばかりの頃の話。

 この時、幼いながらに僕は思った。自分が苦しくても、絶対に周りの人を悲しませるような生き方はしない。そう心に誓った。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る