忘れられない〜私と貴方の大事な事〜

@B4RS

0・「契約結婚しよう」

第1話

「俺と契約結婚してもらう」

「えっ?」


私の腕の中でスヤスヤ眠っている2歳の息子。


「別にコッチは子連れでも構わない。寧ろ逆に

有難いよ」

「えっ?」


戸惑いを隠せない私に笑い、更に続ける。


「俺と別れてすぐに身籠ったんだな。淫乱な女

だったんだな」

「……っ」


否定も肯定も出来ない。

だって腕の中にいる息子は…。

言ってはダメ。

目の前の男性は私と違う世界の男性。


「…契約結婚ね。するわ」

「よし。さすが俺が好きになった女だ」


“なった”…過去形よね…。

淋しくなる自分の心を殺して、

今は自分の腕の中で心地よく眠っている息子を守る為に男性の提案にのる。


本当は……言いたいのにね。

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