過去

告白

第74話

「…で?結局、優也くんとはどこまで行ってるの?」


由香が自分の髪の毛先を指でくるくるしながら問い掛けてきた


「…どこまでって?」


私が言葉の意味が分からなくて、首を傾げると、由香は心底焦れったいと言わんばかりに問い詰めてきた


「だーかーらー!優也くんと付き合ってんの!?付き合ってないの!?」


「えっ!?付き合ってないよ!て言うか、ついさっき好きだって気付いたのに付き合ってる筈ないじゃない!」


「まぁ、それもそうか。じゃあ優也くんは付き合ってないのにキスしてきたの!?ヤバー!超積極的じゃん!カッコいいー!!」


由香は興奮した様子でまくし立ててきた


「…うん、一緒に初詣行ったりはしたけど……、でも付き合ってはいないと思う……」


「…告白とかはされてないの?」


私の煮え切らない返事を聞いて、佐波が不思議そうに問い掛けてきた


「告白!?まさかぁ……」


そこまで言い掛けた時に、ふと、キスする直前に優也が耳元で囁いていた台詞を思い出した


『…好きな人は……折原聖歌…』

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