第55話

「私、優也の事がもっと知りたい」


気付いたら私は、優也の目を見て強くそう言っていた


「…えっ?」


優也は訳の分からなさそうな顔をして、そう問いかけてくる


そりゃあ、そうだ


いきなり、こんな事を言ったのだから


「私、優也の事何も知らない。名字も家族構成も好きなものも」


そう言うと、優也は「あぁ…そういう事」と言って、小さく笑った後に答えてくれた


「名前は進藤優也。家族構成は俺、姉ちゃん、父さん、母さん、後、犬のマロン。あ、ちなみにマロンは色が栗っぽかったから、姉ちゃんがつけた。で、その姉ちゃんも独立してるから殆ど会う事ないけど。


好きなものは写真。他は犬とか?


ちなみに食べ物は生の魚介類とか苦手

他は割と何でも好き


あ、でもココアとか好きかな?


血液型はB型


……そんな所かな?


聖歌は?


俺、聖歌の事も知りたい」


「…えっ!?」


いきなり、そう言われて驚いた


正直、自分の事を話すのは恥ずかしい


でも、先に聞いておいて、話さない訳にはいかない

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