第50話

…カッコ悪い所?


どこが?


全然、そんな事なかったじゃない


ていうか、むしろ、いつもより何倍もかっこよかったじゃない


…なのに何で、皆、一緒になって笑ってるの?




「だからさー、いくらお前が優秀だっつったって、フリーカメラマンになって海外で活躍できるのなんて、ごくごく一部の一握りの人間だけなんだって。現にうちの大学卒業した奴だって、殆どが小さいスタジオとか写真館のカメラマンが良い所で、中には結局、写真関係の仕事に就けず、全然関係ない職種に就く奴だっている位なのにさ」


「そうそう、もっと現実見ろって。子供じゃないんだからさ」


哲くんと智輝くんが交互に笑いながらそう言うと、流石に、さっきまで何も言わないでいた蘭と淳一くんも止めに入ってきた


「おい!」


「お前ら、いくら何でも言い過ぎだぞ!」


でも、その二人の声は、哲くんと智輝くんの耳には届いていないようで、相変わらず笑いながら話続けている


優也は、それを聞いても、相変わらず笑っていたけど、私の怒りは頂点に達しつつあった


そして、次に哲くんが発した言葉に、私の堪忍袋の緒はついに切れた

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