第47話
それから私達は近くの喫茶店でお茶をしていた
この喫茶店で優也と合流する事になっている
間もなくして優也が現れた
「おまたせー、遅くなって悪かったな」
「そーだぞ!おせーぞ!優也!」
「優也くん、おつかれー!」
「…あっ」
私も「おつかれ」って言おうと思ってたのに、由香に先に言われてしまった
優也に聞きたい事、話したい事は沢山ある
でも、話すのが下手な私は、それを言葉に変換するのに時間がかかった
私が一生懸命、頭の中で言葉を組み立てている間も、優也は由香に向かって笑いながら言った
「ありがとー由香ちゃん。てか、わざわざ来てくれたんだ。なのに全然構ってあげられなくてごめんねー」
「そんなの仕事なんだから仕方ないよ!それより優也くん、マジでかっこよかった!この間もかっこよかったけど、今日はこの間と全然違って!改めて惚れ直しちゃったー!」
「マジでー!?そんな事ないと思うけどなー、でもありがとー!」
そんな二人の会話を後目に、私は相変わらず言葉を考えていた
……いいな、由香は
言葉が次々に出てきて
優也もすごく楽しそう…
やっぱり、優也だって、こんなろくに会話も出来ない私なんかより、明るい由香みたいな子が良いのかな……?
そう思い、肩を落としながら、優也と由香を交互に見ていると、優也と目が合った
その瞬間、優也はいつものあの優しい笑顔で私にだけ笑いかけてくれた
その笑顔は“聖歌も来てくれて、ありがとう”って言ってくれているみたいで、凄く凄く嬉しかった―――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます