第21話
私と同じ方向に歩いて来たのは優也だけだった
「…優也……くんも家、こっちなの?」
私がそう問い掛けると優也は笑って答えた
「優也で良いよ。俺も聖歌って呼んでるし………うん…まぁ、そんなとこ……」
…そんなとこって……
優也の曖昧な返答を聞いた後、私達の間には沈黙が流れた
その沈黙の中、私達は何故か隣に並んで帰った
……これって、一緒に帰ってるって事なのかな………?
でも、今、歩いている速度は私にとって、一番、心地よい速度だった
……男の子の優也が、こんなに歩くのが遅い訳はない
私の速度に合わせてくれてるんだ……
そんな私の考えが確証に至ったのは、コンビニの前を通り掛かった時だった―――…
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