第20話

ヨシヒロが歳子に言った。

「そこに公衆電話があるから.日本にコレクトコールして日本の親御さんに迎えにきてもらったら?KDDYならコレクトコール可能だよ!じゃないと皆みたいに病院から出られなくなるよ!」

「わかった。そうする。ありがとう。」

歳子は混乱しているなか.必死に答えた。

歳子の母親は.英語もできて.仕事もできるシングルマザー。歳子の父は.歳子が4つの時.亡くなったのである。

歳子は.せっぱ詰まった声で言う。

「もしもし?お母さん?」

「どっどうしたの?」

「私.精神科にいてここから出られないの。助けて!」

「精神科!?」

「歳子.1┼1は?」

「2。」

「...。すぐ助けに行くから.まってなさい。」

「わかった。」

歳子の母親.奈美子(なみこ)は.すぐさま大使館に連絡をとって歳子を迎えにいった。


「歳子を迎えにきました。」

「看護師2人か医師1人を飛行機に乗せないと日本へは帰国できません。」

「わかりました。看護師2人を手配して下さい。」

「承知しました。」

「歳子。」

「お母さん!」

歳子は大泣きした。

「お母さん.何がなんだかわからないの。」

「大丈夫よ。お母さんがついてるから。」

奈美子は女手一つでかわいい1人娘を育てたのである。

母1人.子1人。

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