episode 1

第1話

私は小原美紗おばらみさ、25歳、専業主婦。

夫の裕太は4つ上で、派遣会社を立ち上げて5年経った。

仕事は順調に軌道に乗り、忙しい日々を送っている。


「じゃあ美紗、いってきます」

「いってらっしゃい!気を付けてね」


裕太を見送り、家事をしていると


――プルルルル


「はい、小原です」

『あ、美紗〜?あたし!真希!』

「わ!真希?久しぶり〜!」


宮城真希みやしろまきは高校時代からの親友だ。


『朝っぱらからごめんね〜!今の時間だと美紗の携帯にかけても出ないから家にかけちゃった(笑)』

「うん、この時間は携帯まだ持ってない(笑)」

『今日ちょっとヒマ?ランチでもどう?』

「いいねー!行こ行こ!」

『よかった、いつも早めに約束取り付けなきゃ捕まんないからさ(笑)』

「あはは、じゃあ場所とか時間LINE入れといて(笑)」

『おっけ(笑)ありがと!また後で』


真希は高校の時から明るくて、一緒にいると唯一本音で語れる親友。


ひと通り家事を済ませ、寝室に放置していた携帯を取りに行った。

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