0時過ぎ

「伯父さん、助けてよ。あの時みたいに助けてに来てよ」


ふらふらと部屋へ戻る。弁当は蓋をして冷蔵庫へ。

ベッドに倒れ込む。そのまま暗い外を見ていた。泣きながら。

気がつけば23時30分程になっていた。

もう少しで終わる。今日という日が。


重い体を起こして電気を消して外へ出る。

海に着くとベンチに座り、海を眺める。

お前は厄災を呼ぶ子供、という言葉が脳裏をよぎる。

いつからだったか、その言葉が喉を突っかかる様にあった。


腕時計で0時を過ぎたのが分かった。

しっかりしなきゃ。

地獄の日々はもう終わったの。

自作の歌を歌い出す。

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