あの子

龍牙side

橘にドアを開けてもらって車に乗り込む。

助手席には合流した九条もとい蓮がいた。


「片付けたか」

「命令通り片付けましたよ。

そりゃーもう大変だったよ。ああー面倒くさい客に面倒くさい女!今考えただけでもムカつくんだけど」

「うるさい」

「はぁい チェッ」


ムッとした顔をするが断じて大の男がやっても可愛くない 。だがこんな奴でも女にはモテるし有能だからな。

そこは一応認めている。


酔っ払った男の客が接待してる女にしつこい程執着していて、店に行ったらその女が好きだの何だのうるさいしベタベタ触ってきやがって。うざいから引っぺがして後の処理は蓮に任せて出てきた。

だがお陰で俺の気になる女を見つけた。


「なんかえらくご機嫌だね。なんかあったの?」

「ああ」

「そ」


走る車の外の流れる景色を見ながら、まだ名前も知らないあの子に想いを馳せる。

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